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光州事件を描いた映画『タクシー運転手』・約束は海を越えて

この前、韓国の「非常戒厳宣言」で驚いた方も多いかと思います。「非常戒厳宣言」は国を守るためのものであり、個人を守るためのものではないはず。それに怒りを示す人も多いですが、その一方でトラウマに苦しむ人も多いと云います。

 

       

          モーニングショー|テレビ朝日(20241204)

そのトラウマとは「五・一八民主化運動」 (光州事件)。1980年、光州で多くの人の命を無惨なカタチで奪った事件です。その時「非常戒厳宣言」が出されました。しかし、韓国で光州の事は新聞、テレビ、ラジオなどに全く流れる事はなく、まさに光州は封鎖された状態で多くの市民が犠牲になったのです。

その光州で起きた真実を命をかけて世界に知らせた人々がいました。今回紹介する映画はその実話を基にした映画です。

あらすじ

ソウルのタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。©2017 SHOWBOX AND THE LAMP. ALL RIGHTS RESERVED.

感想

韓国で「青い瞳の目撃者」と呼ばれたユルゲン・ヒンツペーターさん。

ドイツ人である彼は「五・一八民主化運動」の真実を世界に知らせたジャーナリストです。彼が韓国で、しかもその時、そのタクシー運転手に出会った事は神様が組み合わせてくれた奇跡の出会いだったかもしれません。

彼が命をかけて撮影して映像がいち早くドイツでニュースとして流れる事ができました

映画は軽い笑いから始まりますが、その笑いはどんどん涙に変わります。それからその涙は怒りに化し、それから絶望、希望と安堵、悲しみが混じり合って、なぜ…こんなにたくさんの人が犠牲にならないといけなかったのか…が心痛ましく残ります。

ただただ、流れる涙。このような歴史を二度と繰り返すことがあってはならない。

その思いが今回の「非常戒厳宣言」で蘇ったとも言えます。

映画を観たのは数年前ですが、その痛みは未だに忘れません。

韓国をもっと知りたい方におすすめ映画です。

アマゾンプライム・タクシー運転手

予告編・タクシー運転手